暑さで真っ白な最高のかんぴょう提供へ 池田町特産品「内鎌かんぴょう」生産最盛期へ

JA大北
干すために手引きしたゆうがおを丁寧に並べる会員ら
干すために手引きしたゆうがおを丁寧に並べる会員ら

池田町の特産品「内鎌かんぴょう」の生産が7月22日から始まっており、現在生産作業が最盛期を迎えている。かんぴょうは同町会染内鎌地区の農家有志で作る「内鎌のかんぴょうを守る会」が手作りしており、暑さやコロナに負けじと、同地区内にある作業場に集まり、加工作業に精を出している。
同地区で生産している内鎌かんぴょうは約160年の歴史がある。地域伝統の産物としてかつては各地で作っていたが、後継者不足や加工作業に熟練の技が必要なことから生産者が減少。同会は伝統の産物を守り、作り続けようと、地元農家有志が集まり2011年に発足し、現在会員数は約20人。原材料生産から加工、販売まで全て行っている。また、原料となる「内鎌ゆうがお」は県の「信州の伝統野菜」の認定も受けている。
今年は梅雨が長引いた昨年に比べ梅雨明けもはやく、おおよそ例年どおりの生産スタートとなった。原料となるユウガオも比較的気温が高めに推移したため生育もよく、つやがある品質の高いものが収穫できているそうで、収量も安定しているとのこと。
生産作業は早朝にユウガオを収穫し、天日で干した後、輪切りにし、外皮をむいた後、蛸引き包丁を使い、専用の台を使って手引きする。その後ハウス内で丸1日干したら完成する。特にユウガオの手びき作業は難しく、厚さが大体1.5ミリくらいになるよう手びく。同会が作るかんぴょうの特徴として、横幅が広く、しっかりと風味を味わうことができるのでとても人気がある。
同会の太田洋介会長は「1日で完璧に干すことによって真っ白なかんぴょうができる。暑い日が続いているため、今年も良いかんぴょうがたくさんできることを期待している。多くの人に味わっていただければうれしい。また今後の課題として、作業を見に来てもらうなどして若い世代の方たちにもかんぴょうについて伝えていきたい」と語る。
生産作業は概ね8月下旬まで行われ、ピークはお盆前の8月中旬頃に迎える。「内鎌手引きかんぴょう」は30gと40g、80gの3種類を販売。同町の道の駅「池田町ハーブセンター」やファミリーマートJA大北会染店、大町市の同JA農産物直売所「ええっこの里」などで販売するほか、作業所での直売もしている。

MENU