JAグリーン長野と長野農業農村支援センター技術経営普及課は7月20日、長野市大岡地区と信更地区(信田)の計2会場で、「リモコン式畦畔草刈り機」の実演会を開いた。中山間地に位置する両地区は、水田畦畔の草刈りに刈払機を使う農家が多く、安全性や労力で苦労が多い。また、高齢化による離農やこれによる農地の遊休化などを危惧し、スマート農業機械の導入による労力軽減策などを提案。この一環として、また、支援センターが行う「リモコン式畦畔草刈機の貸付事業」の紹介を含めて企画した。
長野市信更町地区では、信更果実流通センターを会場に、JA青壮年部信更支部盟友や水稲を担当するJA営農技術員、農業機械担当職員が出席し、支援センターが説明し、メーカー担当者が操作方法の説明と実演。機械は長野県と(株)牛越製作所が6年かけて共同制作した「かるずら~畦畔45度斜面走行対応クローラ機」。重量は約65kgとコンパクト、専用のリモコンでラジコン間隔で操作ができる。参加者はメーカーから説明を聞いたのち、生産者を中心に操作を体験。生産者は「高齢の方にとっては、重量がやや重く、操作に慣れるまでも時間がかかるので、フォローも必要だが、刈払機で刈るよりも作業が楽で、若手農家にとっても魅力がある」と感想を述べた。支援センターでは全県生産者を対象に、貸出事業を8月19日から10月31日に実施。5日ずつ貸し出し、生産者から使用感等を聞き取り、実用性の評価を行う予定だという。中村幸一課長補佐は「中山間地の労力不足、負担の軽減や景観管理にもつながる機械として、ぜひ実際に活用していただき、農業の継続や農作業事故の防止にもつながげていただきたい」とあいさつ。JAでは、引き続き、支援センターとも連携協力を図りながら、生産者の労力軽減策に、スマート農業に触れる機会を作りながら、スマート農業を推進していく考えだ。