全国で唯一となる登録された日本ザーネン種の子山羊だけを扱う下伊那子山羊市場が、8日飯田市大瀬木の三尋石集畜場で開催された。JAみなみ信州畜産協議会、同JA、JA全農長野県本部が主催。子山羊市場としても全国的に珍しく、今年も子山羊を求めて関東や四国など全国各地から購買者が集まった。近年は家畜だけでなく、除草用やペットとしても注目されている。年に一度開催してきた同市場では72回を迎えた今年もにぎやかに競りが行われた。
市場の前に行った下伊那子山羊共進会では、同JA山羊部会の部会長を務める阿南町の城田政治さん(75)が出展した雄山羊が県知事賞に選ばれた。
雄5頭、雌15頭が出展された同共進会では、畜産技術協会や飯田家畜保健衛生所の役職員らが審査員を務め、体格や毛並みなどを評価した。城田さんは山羊を50年近く飼育している大ベテランで今回14回目の県知事賞となった。城田さんは「健康な山羊を育てるために毎日少しの時間でも見て、それぞれの山羊に合わせ接することが大事。生き物を飼うことは大変だが、できる限り頑張って続けていきたい」と話した。
16の個人と3つのJAが購買者として参加した同市場では、飯田下伊那地域で今年2月から4月に生まれた子山羊20頭(雄5頭、雌15頭)が競りにかけられた。
松川町から参加した唐澤秀樹さん(60)は「一目ぼれで今日はこの子を絶対買うと決めていた。果樹園の除草作業を手伝ってくれればうれしい」と雌山羊1頭を購入した。
また愛知県からきた澤隆司さん(47)は「2頭ほしかったが、昨年に比べ値が高く今回断念した。来年こそは競り勝ちたい」と話した。
雄の平均価格は58,960円で、最高価格は78,100円、雌の平均は97,240円、最高価格は145,200円、全頭平均では87,670円。
同JA営農部畜産課の若林賢治課長補佐は「伝統あるこの地域の山羊飼育文化や山羊市場を絶やさないよう、生産者と共に頑張っていきたい」と話した。
共進会の入賞者は次の通り
▽県知事賞=城田政治さん(阿南町)◇雌の部▽特別優秀賞=長沼弘明さん(飯田市)▽優秀賞=藤本静さん(下條村)▽優良賞=福田渉さん(高森町)◇雄の部▽特別優秀賞=城田政治さん(阿南町)▽優秀賞=横前修さん(喬木村)