JAグリーン長野もも部会は6月上旬、ほ場巡回を開催している。長野市篠ノ井の篠ノ井東部青果物流通センター管内は6月2日から4日にかけて、地区ごと、営農技術員と生産者が回り、生育・作業の進捗状況、病害虫の発生状況を確認・指導した。
このうち6月3日の篠ノ井小森地区では営農技術員5人と生産者が、5班に分かれて巡回。樹や園全体を見て、着果量や玉肥大の状況、葉色や病害虫による葉への被害、樹勢などをポイントに状況を確認した。昨年は、モモの大敵「モモせん孔細菌病」が各地で発生し、正品率の低下、台風19号災害による出荷量の減少に相まって苦戦を強いられたなか、昨年からの徹底した病斑切除と防除など、生産者の努力により、一定の成果が表れてきていることを巡回時に確認できた。しかし、巡回に参加した生産者からは、「去年は袋掛け前に何ともなかったように見えた果実が、袋を外したときに感染していたことも多かった」との声が上がったことも踏まえ、仕上げ摘果と同時に袋掛け作業に移行し、果実への感染を防ぐことも申し合わせた。生産者の一人は「昨年の台風やせん孔の分まで取り返したい」と意気込んだ。
また、この4月の度重なった凍霜害により、着果量不足が懸念されたが、巡回した園では、品種差・樹ごとの差はあるものの、着果調節により適正な数量を確保できていることを確認。雨も定期的に降り、玉肥大も順調であることから、着果位置による果実の擦れ傷等にも注意しながら、引き続き、着果量確保を最優先に仕上げるように説明した。
JAでは引き続き、巡回指導や営農技術員による個別指導により、作業進捗の徹底による品質の維持確保、収穫量確保に努めたい考えだ。