五平餅を製造する伊那市西春近の株式会社鈴平とJA上伊那、上伊那農政対策委員会は、今年も管内の小学1年生に入学祝いとして五平餅1467本を、4月から7月にかけて33校に無償で提供している。郷土食という文化を伝えることや、地産地消の促進を目的に行われている。
同社は五平餅をおいしく安全安心に末永く食べてもらいたいと2008年に伊那市内の小学校を対象にこの活動を始めた。2010年からは同JAが原料の米を同社へ提供し始め、2012年には上伊那全域へと範囲を広げた。今年は管内で収穫したコシヒカリ120キロを提供。
16日、辰野町の辰野西小学校で贈呈式が行われた。株式会社鈴平の代表取締役社長の鈴木良典さん(85)や、JA理事の松尾泰岳さん(69)らが同校を訪れ、袖山秀明校長(58)らに五平餅と児童へのお祝いのメッセージを手渡した。
鈴木社長は「地域の食材、郷土食を大切にしようとJAと共に提供を始めて12年。これからも子供さんたちに郷土食という文化を学び、愛してもらいたい」と期待した。
袖山校長は「1年生も五平餅を食べられることをとても楽しみにしている。学校で大事にしている地域を題材にした学習にもつながり、とてもありがたい」と話した。