野菜に活用 農業用ドローン試験

JAグリーン長野
ドローンでネギほ場に除草剤を散布
ドローンでネギほ場に除草剤を散布

JAグリーン長野は、JA全農長野生産振興課、農薬メーカーと連携して5月22日、長野市松代町のほ場で、農業用ドローン(小型無人飛行機)による「ネギ」の除草剤散布の試験・実演を行った。JA管内では、水稲への活用が多いなか、面積拡大をはかる野菜農家への効率化策の提案を目的としたもの。スマート農業を推進するJA神戸秀夫営農技術員の発案で実現し、風がなく天候の良い早朝を狙って実施。園主のほか、同地区の担い手農家や法人が見学に訪れた。
機械は全農長野所有のクボタの農業用ドローンT20Kで、ほ場の測量と飛行ルートを登録し、自動航行する。今回は、ネギの生産拡大をめざす松木洋史さん(40)の20アールのほ場。ネギへのドローンでの散布は、除草剤のみ登録が取れていることから、定植前から定植直後のタイミングで散布する雑草の発芽抑制効果のある「粒剤」を空中散布した。同機は、デモ飛行が多く、粒剤散布は今回が初だったため、均一にまくことを含めて、スピードを落とした時速7kmで飛行。途中、園地横の大木が障害となり、一時停止することもあったが、散布時間は15分ほどで終了。普段は散粒機を使い2時間かけて作業をしているため、約8分の1まで時間短縮できた。松木さんは、「効率化を実際に確認できてよかった。除草剤しか登録が取れていないことや、場所を選ぶこと、また、機械の価格も含めてもっと実用化されれば、規模拡大を図る生産者にとって導入しやすい」と、今後の発展に期待を寄せていた。JA全農長野担当は「生産者さん独自で導入というのはなかなか難しいのが現状ではあるが、水稲以外にも活用が広がれば、地域や仲間同士で共同導入することも可能になってくる」と話した。JAや松木さんは、散布による除草効果の確認を続ける予定。神戸秀夫営農技術員は「若手への農地集約や、規模拡大が進んできているので、スマート農業に関する機械の活用と、その活用を通じたさらなる規模拡大につながればいい」と話した。

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