JAグリーン長野と長野農業農村支援センターは5月20日、種無し品種のブドウ栽培を指導する「グリーンセミナー」を開講した。セミナーは14年を数え、品目をブドウに1本化してからは今年で節目の10年目。募集を超える希望が集まり、49人が年8回にわたって、シャインマスカットやナガノパープルなどの時期ごとの作業方法、定植・管理方法等を学ぶ。参加者の半数は20代から40代の若年層、定年帰農者・予定者も多い。JAでは、JAぶどう部会への加入、積極的なJA出荷への出荷も呼びかけ、ブドウ栽培のさらなる活性化と産地拡大、新たな担い手との絆の強化につなげる考えだ。
初回は、長野市松代町の松代農業総合センターでオリエンテーションを行い、ほ場に移って「芽かき」「新梢管理」「若木」の管理を、2班に分かれてJA松坂賢一営農技術員と支援センター技術担当が指導。基礎用語から、作業スケジュールの立て方、樹(園)づくりなどを細かく説明した。昨年定植したという男性は「収穫できるまでが待ち遠しい。技術を教えてもらって、いいものを作れるようになりたい」と目を輝かせた。園主の萩原久光さんは、「この園で学んだ人は10年間で300人以上となり、10億円を突破したぶどう部会にそれぞれに貢献していただいていると思う。ぜひみなさんも頑張ってほしい」と激励した。
グリーンセミナーは、作業時期に合わせて8回、2月下旬まで開講する。受講生は9割がJAグリーン長野管内の生産者で、支援センター共催により、管外からの出席も今年初めて受け入れた。
初年は14人程度から始まったブドウのセミナー、昨年は新型コロナウイルスの影響で参加を制限したものの、近年は40~50人を超える講座となり、種無しブドウ栽培への注目の高さに比例している。JAでは、担い手育成・部会への積極的な参加を呼びかけながら、産地力の向上をはかる考えだ。