陸ワサビ初収穫 今秋から栽培本格化

JAあづみ
くわで陸ワサビを掘り起こす会員ら
くわで陸ワサビを掘り起こす会員ら

JAあづみは18日、地元安曇野市のワサビ加工品メーカー(株)マル井と連携し、産地化を目指し実証栽培をすすめてきた陸(おか)ワサビを初めて収穫した。湧き水などで育てる「水ワサビ」とは異なり、畑に植えて育てるのが特徴。
同JAと(株)マル井は管内のハウス3ヶ所で昨年10月から実証栽培を開始。1アールあたり1,000本の苗を植え、水やりや防除などの管理を続けてきた。
この日は、(株)マル井の担当者により収穫方法や出荷作業のポイントなどを説明。安曇野市堀金烏川のビニールハウスで烏川体験農場の会員らが80センチほどに育ったワサビをくわで掘り起こした。土をはらい白根を除去した後、茎・葉・根茎(芋)に選別し出荷コンテナに入れていった。収穫したワサビは同社の全量買い取りで、主に茎や根茎の部分が刺身用の小袋やチューブタイプ製品の原料となる。
同JAは今秋から本格栽培に乗り出す。夏の高温期を避け、10月に苗を定植し翌年5月下旬から6月上旬に収穫する超促成栽培で農閑期を中心に栽培できる。栽培期間が短く、生産者の労力負担も少ない。さらに、寒さに強いワサビの特性を生かして冬場もハウス内は加温しないため栽培コストが抑えられるなどの利点がある。
同社にとっても全国的にワサビの生産量が減る中、陸ワサビの生産量の拡大は地元産原料の安定調達につながる。同社井口彰社長は「将来的には自社製品の原料を全て安曇野産にしていきたい。地域をブランディングするとともに、国内外に発信していきたい」と話した。
今後、JA広報誌やJA営農指導員などを通じて6月中に生産者を募集し、生産拡大すると共に生産者の所得増大に繋げていくとしている。
千國茂組合長は「陸ワサビ生産の一翼を担えることへのワクワク感がある。生産者の所得増大や産地化を図っていく」と力を込めた。

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