JAグリーン長野と長野県更級農業高等学校は5月15日、「親子ふれあい農業塾」を開講した。管内の小学生とその保護者15組が対象。同校アグリネットワークコース3年の生21人が講師となり、家庭ごとにほ場を受け持って野菜を栽培し、食と農の関わり、農業の魅力・理解醸成につなげる。昨年は新型コロナウイルスで開催できなかったが、今年は家庭ごとに畑を区分けて十分な距離を保つほか、カリキュラムの縮小、また、2部制にして時間を区切り、人数を減らして密を避けるなど安全に配慮し、開講にこぎつけた。
初回は、長野市篠ノ井のほ場を会場に、9時からと11時の2部に分け14組が、また、生徒も半数ずつに分かれて参加。施肥や畝立て作業、ジャガイモ・スイートコーンの定植を行った。生徒が1家庭に1~2人ずつ付き、作業方法の説明や作業をサポート。畝立てでは、鍬を一緒に持って耕すなど、手取り足取り指導した。小学生の一人は「ジャガイモを植えるのは初めてやったけど、楽しかった。いっぱい収穫して、おいしいコロッケが食べたい」と笑顔。保護者は、「家に畑もなく、学校でも土に触れる機会がないので、貴重な機会を設けてもらえてうれしい。子供たちも生き生きしている」と話した。
生徒は、この日までに作業方法や今後の管理、収穫物の活用など、ポイントをまとめた資料を作成したり、当日のシミュレーションなど準備を重ねてきた。生徒の一人、土屋亜華波さんは「自分も子供たちも緊張していたので接し方が難しかったけれど、だんだんとしゃべってくれるようになり嬉しかった。子供たちに楽しんでもらえるように頑張りたい」と意気込んだ。JA営農部富澤繁男部長は、「農業の大切さを"楽しみながら"学んでもらいたい」と激励した。