JAグリーン長野もも部会は、5月10日から14日まで23会場で、摘果・新梢管理およびモモせん孔細菌病などの病害虫対策講習会を開催している。生育は昨年に比べ4日ほど早いなか、4月6日から11日にかけて発生した凍霜害の影響を懸念し、着果量確保を最優先とした摘果作業を呼び掛けている。
5月10日に長野市川中島町で開いた講習会では、新型コロナウイルス対策として短時間開催するなか、26人が出席。生産者間で各戸の状況等を共有していたほか、営農技術員が生育状況や重点的な作業となる摘果の時期・方法、注意点、また、モモせん孔細菌病対策などについて説明した。昨年大発生したセン孔細菌病については、昨秋から生産者による徹底した管理で、平年並みの量に収まっていることを伝え、現状で枝病斑があれば切除するなど耕種的防除の継続を要請。凍霜害の状況については、生理落果期に差し掛かるなかで、現状の着果量から減る可能性もあることから、摘果作業を遅らせることや、着果量が比較的少なめな品種から取り掛かること、また、着果位置や肥大状況等、品質を見つつも、袋のかかる間隔で果実を残すことを最優先にし、量の確保、また初期生育の助長に向けて適期のかん水に努めるように指導した。生産者の一人は「近年、毎年苦しい状況に置かれているが、何とか収穫に結びつくようにしていきたい」と話した。
JA営農技術員によると、モモに関しては人工授粉等で確保できたものや凍霜害対策を講じたほ場等、品種や園地の条件等、生産者により差がある状況。実質的な影響に関しては、今後の管理によることから、講習会や個別指導、部会情報を通じて生産者に管理の徹底を呼び掛けていく。