JAみなみ信州管内の飯田市南信濃や上村、天龍村などでお茶の収穫がスタートした。
今年は暖冬傾向から一番茶の萌芽が例年より2週間ほど早く3月末から4月初頭になったが、4月に入り朝晩の低温により生育の進みが和らぎ、収穫時期は例年より1週間ほどの早さとなった。
同JA製茶工場(飯田市南信濃)では9日、本格的な受け入れを始めた。この日は朝から受け入れた約1000kgの生葉を加工する作業を行い、工場内はお茶のいい香りに包まれていた。
自身も生産者で同工場勤務の遠山智之利さん(飯田市南信濃・66才)は「この地域では昔からお茶栽培が盛んで、渋みや旨味が強いおいしいお茶が作られている。今年は4月の低温から生育にばらつきがあり収量減が心配だが、何とか適期摘採に努めたい」と話した。
同地域では昭和40年代から養蚕に代わる地域産業として茶の生産振興、特産化を進め、現在同JA管内ではおよそ400人の生産者が生産をし、今年度は生葉35トンの加工を見込んでいる。現在は後継者不足から生産者の高齢化が課題で、遠山さんは「若い方がお茶栽培にも魅力を感じてもらえるよう、栽培を頑張っていきたい」と話した。
同工場の受け入れピークは20日ころを予定し、5月下旬まで受け入れ製茶加工していく。