5月5日、安曇野市三郷温に農業を通じて障害者の自立を目指す就労継続支援A型事業所「安曇野みらい農園」が開所した。
三郷地域で育てた野菜をJAあづみなどの地元企業に販売し、収益を確保する。同園は地域の耕作放棄地でソバ栽培などを手掛ける株式会社かまくらや(松本市島立)の子会社組織。障害者と雇用契約を締結し、原則として最低賃金以上の賃金を保障するA型事業所は市内で2か所目。農園の事務所は三郷明盛のJAあづみ明盛ふれあいセンターの一室に設けた。
同社は、今年度から安曇野市三郷温にある三郷やすらぎ空間施設の指定管理者となった。同施設の古民家は地域住民に無料開放しサークル活動、ミニコンサート、会議などに使ってもらう。週末は地元のグループが講師となって農業体験講座やそば打ち教室を開く。
施設周辺の農地約3ヘクタールでニンジンやインゲン、陸ワサビなどを栽培して収益を出し、施設の管理や雇用する障害者に賃金を支払う。初年度は10人程度を採用予定で、3年後までに定員20人を目指す。この日は、野菜作りを基礎から学ぶ「やすらぎ農場ふれあいセンター」の第1回があり、15人ほどが参加した。
JAあづみ千國茂代表理事組合長やかまくらやと安曇野みらい農園の田中浩二社長、行政関係者など約30人が出席した開所式で、田中社長は「人が集まり、繋がっていく施設運営を心掛けていく。地域農業の活性化、障害者の自立支援を果たすためみなさんのご協力やご支援をお願いしたい」と述べた。
千國組合長は「この事業はJAの基本理念に通じるものがある。精一杯サポートし、協力していきたい」と強調した。
雇用を希望する方や施設利用に関するお問い合わせはかまくらや(TEL.0263-88-7732)まで。