JAグリーン長野施設果菜専門部で「樹熟トマト」の出荷がスタートする。これは、市場出荷品よりも2日ほど長く樹で熟してから収穫し、より食べころに近いものを生産者個々で荷作りしたもの。JA生産販売部営業課を介して、長野市内(JA管外)のスーパーマーケット7店舗の直売所へ週3回配送し、自身の名前で販売される。スーパーのバイヤーや消費者からは、「より鮮度の高くおいしい」「食べころで甘い」と好評。生産者にとっても、市場手数料や輸送費の削減、また、収穫時期を逸し市場出荷に向かないものも出荷ができる「出荷ロスの削減」になると、販売拡大に期待。11人の専門部員が、市場、A・コープ直売所、そして樹熟トマトの取り組みと、自身の労力や収穫のタイミングに合わせながら出荷先を選んで「生産者手取りの確保・向上」に汗を流す。
販売開始を前に5月7日、長野市松代町の道島集荷所で販売説明会を開催。出荷に取り組む生産者と新たに取り組みを検討する生産者など7人が出席した。営業課販売担当が、統一出荷規格や価格、集・出荷日を説明。出荷規格は、1袋470g規格と1パック280gのパックの2形態をとし、熟度や大きさに注意しながら、需要に応じ、L玉・M玉品を中心に荷造りを進めることを呼びかけた。また、バイヤーへの交渉により、今年は販売手数料を2%削減することができたことを報告。生産者からは「最盛期に出荷制限がかかることのないように工夫をしてもらいたい」と要望され、店舗の協力を得て早期の売り場確保・拡大や販売PRにつなげる方針を説明した。
2020年度は、5月中旬から例年より1か月ほど長い12月末まで出荷が続き、出荷量は約3万袋(前年比113%)、販売金額は約740万円(前年比115%)の実績となった。今年は12戸が取り組みを表明し、5月12日から収穫終わりまで出荷に取り組む。JA営業課担当は、「スーパーからの期待や評価も高いので、ぜひ市場出荷とともにJAへの出荷で手取り確保につなげてもらいたい」と話している。