JAあづみが広島県呉市のJA広島ゆたかと業務提携し、安曇野市三郷小倉の大型冷蔵庫で3月下旬から貯蔵していた広島県産レモンの選果作業が15日、JAあづみ小倉選果所で始まった。
安曇野産果実がない時期にJAあづみの施設を有効活用し、国産レモンが品薄となる夏場に首都圏や関西方面などの大消費地に国産レモンを供給する「中継基地」としての役割を担い、JA広島ゆたかの販売増に貢献している。
JAあづみが広島産のレモンを受け入れるのは9年目。毎年100トン前後を選果しているものの、1月の寒波の影響により昨季より80トン少ない、60トンになる見通し。今年は、例年のおよそ5倍にあたる30トンを「P-プラス」と呼ばれる鮮度維持特殊フィルムに個包装する。JA広島ゆたかによると、袋詰めされたレモンは1個258円の高値で取引されることもあり、生産者の所得向上に一役買っているという。
袋詰め作業に時間がかかる事から、例年より1ヵ月ほど早く選果を始めた。初日は千國茂代表理事組合長らが見守る中、約20人の選果員が1.5トンを選果。選果前には目ぞろい会を行い、JA広島ゆたか営農販売部山根和貴部長が傷んだレモンの見分け方や規格外品の見分け方、選果の手順などを説明した。
レモンを一つずつ手作業で傷の有無を確かめ、4L~2Sの7等級に大きさ別に選別した。選果し、袋詰めしたレモンは、5月下旬の出荷まで再び貯蔵し、6台の大型加湿器で気温7℃以下、湿度90%を目安に品質管理する。
山根部長は「寒波の影響で数量は少ないが、品質はいい。個包装での販売を軸に単価を取っていきたい。手間がかかる分、選果時期を早めてもらった。対応いただきありがたい」と話した。
JA果実中央選果所の福岡直樹センター長は「レモンの貯蔵と選果により施設の稼働率が上がり、地元の雇用創出にもつながっているのでありがたい」と話した。