県内有数の米どころJAあづみ管内では16日、若手稲作生産者グループ「安曇野.come(あづみのどっとこめ)」がトップを切り、田植えを始めた。
今年は農機具メーカーの衛星利用測位システム(GPS)を搭載し、無人での全面自動植付が可能な田植え機の実演会も兼ねて行われた。メンバーの宮澤和芳さん(36)が管理する安曇野市三郷明盛の水田54アールに主食用の極早生種「五百川(ごひゃくがわ)」を植えた。無人の田植え機は人が運転して水田の外周を走って形を覚えさせると、ハンドル操作をしなくても自動で往復する。8列同時に植えられる田植え機に「安曇野.come」ののぼり旗を掲げ、1ヵ月ほど前に種をまき15センチほどに成長した苗を乗せた。往復するたびに、水田には緑色が広がった。
田植え開始時期は例年並み。今年は、主食用の「コシヒカリ」や「風さやか」、酒造好適米「ひとごこち」など約200ヘクタールの栽培を計画している。メンバーの田植えは、5月10日頃がピークで、6月上旬まで続き、稲刈りは8月20日頃から始まる見通しだ。
JA営農経済事業部米穀課によると管内の田植えは5月上旬~中旬にピークを迎え、5月下旬まで続く。約3100人の生産者が、約2670ヘクタールで栽培し、1万2600トンの収穫量を見込んでいる。
宮澤さんは「今年は比較的暖かく、苗は順調に生育した。4月上旬に冷え込んだ日もあったが、低温対策を徹底した。コロナ禍でも安心・安全なお米を消費者に届けたい」と意気込み、「自動運転による田植えは、生産者の作業負担の軽減や人手不足の解消にもつながる。最新鋭の技術が、農業のイメージを変える」とスマート農業の発展に期待していた。