JAグリーン長野で「モモ」の開葯用の花摘み作業、開葯作業が4月4日から6日にかけてピークを迎えた。主力品種の「川中島白桃」など花粉のない品種に人工受粉を行うための「花粉の確保」に必須の作業。川中島白桃の開花は昨年より7日ほど早く、生産者は摘花作業、人工受粉と作業に追われる日々だ。
長野市川中島町御厨の田中慶太さん(63)は、昨年より3日早く4月2日から花摘み作業を開始。「あかつき」や「なつっこ」など、川中島白桃より先に咲く樹から、良い実がつきそうな花芽を残し、開葯作業に適す風船上に膨らんだ花蕾をとって回った。昨年は、開花期の低温が結実量に影響したほか、「モモせん孔細菌病」で出荷量が大きく減少した「試練の年」だった。昨年秋から、地域ぐるみでモモせん孔細菌病対策を講じ、「今年は挑戦の年」と作業に熱を込めていた。
同市篠ノ井東部青果物流通センターでは、モモやナシ、リンゴ用に開葯所を4月2日から開所。特に持ち込みが増えた4日には、60戸が花蕾を持ち込んだ。令和元年台風19号災害による樹の流亡の影響や生産者の高齢化により持ち込み数は減少したものの、若手を中心に苗木の定植などが進み、産地復興の最中だ。開葯所では、センター従業員やもも部会役員が来所した生産者の機械操作などの作業をサポート。生産者の一人は「パッと咲いてきたので慌てたが、しっかりいい実がなるように受粉作業をしたい」と意気込んだ。
JAでは、開花以降、低温の日も予報されているため、凍霜害対策本部より生産者に凍霜害対策を呼び掛けるとともに、結実確保作業が遅れないように受粉作業を進めることを指導している。