JAあづみ大型農産物直売所「安曇野スイス村ハイジの里」の売り上げが、初めて6億円を突破した。新型コロナウイルスの影響で生活環境が激変。消費者は外食を控え、家庭内消費が増えた事で「近くで安全・安心」な農産物を買える直売所のニースが高まり、レジ通過者は33.2万人(前年対比4.8万人増)と多くの組合員や地域住民に利用された。昨年5月13日にはレジ通過者累計数が100万人を達成。総売上額、レジ通過者数ともに4年連続で増加となった。
2020年度の総売上額は6億1856万円(前年対比32%増)と目標の5億3,000万円を大きく上回った。中でも生産者会員の売上額は2億5,798万円(同43%増)と大きく伸び、6億円突破の大きな要因となった。出荷物が売れることで生産者は商品の見た目や梱包方法を工夫するなど、生産者同士で商品力を高める競争も始まり、品質の良い農産物が数多く出荷されるようになった。
レジ混雑緩和やコロナ感染拡大対策として昨年10月にセミ、セルフレジや2人制POSレジを導入。客の回転率が高まった事で売上やレジ通過者数の増加に繋がった。
21年2月28日時点の登録会員数は、生産者会員634人(前年対比34人増)、委託業者会員71件(同比5件増)、合計705件(同比39件増)となった。
同直売所に農産物を出荷する農家らでつくる安曇野スイス村ハイジの里運営協力会は4月8日、安曇野市堀金の広域営農センターで20年度安曇野スイス村ハイジ里運営協力会総会を開き、20年度事業報告や21年度事業計画など3議案を承認した。
20年度事業報告では、出荷者会員のうち50万円以上売り上げた会員が62人(前年対比16人増)、100万円以上が66人(同20人増)そのうち12人は300万円以上売り上げるなど「農家所得の増大」に貢献する直売所になってきたことを報告。「周年祭」、「新米まつり」、「りんご祭り」など目玉イベントも集客力アップになったことも伝えられた。
21年度事業計画では、総売上額6億5000万円(うち出荷者会員の売上額2億5,000万円)、登録会員720人の目標を設定した。新鮮さをPRするため朝どり野菜などの出荷や売れ残りの棚下げを引き続き行うことと、各種イベントには積極的に協力・参加し生産者の顔が見える直売所を目指すことを確認した。
槫沼正次会長は「新鮮な農産物と豊富な品揃えでお客様に喜ばれる店づくりを進めていきたい。地元農産物が減る12月~4月の端境期でも新鮮な農産物を供給できる体制の構築を図っていく」と強調した。
また総会では、出荷活動への貢献が顕著な会員3人を表彰した。▽「ベスト生産者賞」=塩原和宣さん▽「運営協力会会長賞」=マルエムファームさん▽「ハイジの里賞」=藤松義躬さん