営農技術員研究発表、組合員へ技術周知

JAながの
本所で開いた研究大会で発表する丸山さん(右)
本所で開いた研究大会で発表する丸山さん(右)

JAながのは長野市の本所で3月12日、「第一回営農技術員一人一研究大会」を開いた。優れた研究をして各ブロックから選抜された営農技術員5人と審査員を務めた役職員ら20人が出席。果樹やきのこ類など、品目ごとの栽培試験に基づき、効果が期待できる防除方法やICT(情報通信技術)の導入試験、コスト低減可能な栽培技術などを発表した。最優秀賞には、モモの「袋掛けによるせん孔細菌病の減少効果」について研究した須高営農センターの丸山道隆さんが選ばれた。
丸山さんは、モモで増加傾向にある病害「せん孔細菌病」を抑制するために、試験区と対照区を設け、秋季防除3回と春型枝病斑切除の実施、袋掛け時期による被害発生状況を比較。また、担当地域内約60圃場を2019年から2年間継続的に巡回し、せん孔細菌病の発生推移の傾向を調査した。その結果、春型枝病斑切除を最低でも2回以上行った圃場では被害が減少傾向となった。袋掛けは、可能な限り早期に実施することで被害が減少し、果実のロス率が低下した。
丸山さんは「短期間の調査では結果が不十分のため、長期的な経過観察により状況を把握して、生産者に周知していきたい」と話した。
審査した小池宏明常務は「組合員農家の所得向上が最終的な目標。負託に応えられるよう今後も研究に励んでほしい」と激励した。
最優秀賞以外の受賞者は次の通り。
▽上田哲「えのきたけ菌塊症状の対策と安定生産に向けた取り組み」▽丸山一樹「部会と共に歩むバイヤー・市場に選ばれる『みゆきえのきたけ』創出チャレンジ」▽池田淳一「自動給水栓(水田センサー)導入による水管理労力削減効果の確認」▽綿貫良「モモせん孔細菌病の現状と対策」

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