富士見町の植松章祥さん(44)が経営する「植松園芸」で、春野菜の苗づくりが本格化している。植松さんと従業員合わせて8人が毎日、早朝から苗の栽培、管理を行っている。4月初旬の出荷を前に、ハウス一面に色鮮やかな緑が広がっている。
植松さんは、父親から育苗専門の農家を受け継ぎ、今年で15年目。当初3棟だったハウスを11棟に広げ、JAの主力農産物であるセルリー、ブロッコリー、キャベツ、パセリの苗などを、年間約250万本生産している。出荷先はJA資材店舗やJAファーム店ほか、種苗会社など。北海道から沖縄まで、全国に流通している。
ハウス内の温度管理や適切な潅水を徹底しており、今年は晴天率が高いため、植松さんによると「苗の生育は順調」とのこと。苗の良し悪しは、根が健全に育っているかで決まるといい、「葉や茎のようすを見れば、根がどのように育っているかがわかる。ハウス1棟1棟を充実させ、苗にとってストレスのない環境をつくることが大切」と栽培へのこだわりを話している。
高齢化などによる生産者不足で、野菜苗の販売は以前に比べ減少したが、「高品質な苗の生産を続けることで、農家の所得向上に繋げたい。将来的には『農業をやりたい』という人が増えればうれしい」と力強く語った。