1年分の味噌を仕込む

JAみなみ信州
つぶした大豆と麹などを混ぜ合わせる参加者
つぶした大豆と麹などを混ぜ合わせる参加者

食に対する安全と健康意識の高まりから、地元産、手作り加工品が注目を集めている。
JAみなみ信州が下條村から管理委託を受ける同村睦沢の農産物加工施設は、2月から3月にかけ自家消費用の味噌づくりを楽しむ地域住民グループに利用されている。
同村睦沢の古田かの子さんと飯田下伊那在住の親類や友人の7人は、3日加工指導員の村上弘子さん(61)の指導を受けながら、地元の大豆やコメ麹を使い、各家庭の1年分となる5斗の味噌を仕込んだ。
同村でも以前は各家庭見られた味噌づくりだが、現在はほとんど見ることができない。古田さんも幼少期には味噌づくりを手伝っており、皆が昔を懐かしみながら仕込み作業を行った。
20年ほどこの施設で味噌を作る古田さんは「毎日口にする味噌にはこだわりたい。家族の健康を考えると、材料にこだわれる手作りはやめられない。多くの手が必要な加工のため、コロナの心配もありましたが、仲間の顔が見れ楽しくできたことがうれしい」と話した。
参加者も「手作り味噌のおいしさを知ってしまうと、市販の味噌には戻れなくなった。今年も楽しみにしていたので、集まれてうれしい」と話した。
同施設は30年ほど前、JAみなみ信州女性部の申請で村の助成金を使って建てられ、現在は同部などが味噌づくりやリンゴジュースの加工を行っているほか、農業体験での利用もある。
現在施設や加工機械の老朽化が進み、廃止も検討されているといい、村上さんは「これだけの広さもある加工施設がなくなってしまうのはもったいない。村内の多くの方に協力してもらいながら、幅広い世代が楽しく利用してもらえる施設にしていきたい」と話した。

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