珍しい切り花をインターネットで届けよう

JAグリーン長野
販売規格について打ち合わせをする近藤さん(左)とJA担当
販売規格について打ち合わせをする近藤さん(左)とJA担当

長野市篠ノ井の花き農家 近藤利之さん(60)の畑で「サイネリア」の出荷が最盛期に突入した。鉢植え栽培が多いなか、近藤さんは関東の市場と直接契約し、専売苗を入手して、「切り花」で出荷をしている。切り花用の育種が盛んになった10年ほど前から毎年栽培を続け、冬季の主力出荷品目として約6アールで栽培。2月12日から出荷を開始し、3月の中旬まで、約3万本の出荷を見込んでいる。
出荷の本格化を前に、塩野宏昭営農技術員が近藤さんからサイネリアの紹介を受け、切り花出荷の珍しさ、希少性からインターネット販売により販路拡大ができないかと、インターネット販売を担当する鳥羽裕敏担当に持ち掛け、2月24日に近藤さんのほ場を訪問。花の特徴や出荷形態や出荷時期などを聞き取った。
近藤さん宅では青系やローズ、市場から提案された試験品種を含め5色を栽培。収穫期間が短く、ハウス内を加温するなど暖房費がかかるものの、珍しい青系の品目で、贈答用としての需要があり、近年販売単価も安定、ほかの品目に比べて作業にも手間もかからない利点があり、花もちも良い。何より「作っていてとても可愛らしい花」と作り甲斐を感じているという。近藤さんは昨年からの新型コロナウイルスによる花き需要の減少によって品目転換を行い、花きの生産量を減らしたなかだが、サイネリアの生産は維持し、冬季の主力にしているという。
花出荷の終盤に差し掛かったが、JAでは今季は試験的に販売を行い、JAタウンに出品し、3月10日まで販売する予定だ。近藤さんは「パッと出てパッと終わってしまう短期間の品目だが、まずは知ってもらい、評判を見ながら、次年度JAと一緒に本格的に販売ができればいい」と話している。営農技術員は「市場などへ個人販売されている品目も、JAのインターネット販売を通じて販売拡大につなげてもらいながら、JAへの出荷のきっかけになればいい」と話している。

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