地域の果樹生産守る、歴史ある七久保果樹研究会の請負剪定

JA上伊那
リンゴ園で剪定作業をする会員ら
リンゴ園で剪定作業をする会員ら

上伊那郡飯島町七久保地区や同町内の果樹農家10人でつくる「七久保果樹研究会」は、地域で高齢化や兼業化で剪定作業が難しくなった園地の剪定作業を請け負っている。1月11日から26日までに周辺町村を含む7軒の農家から依頼されたリンゴ55a、ナシ60aの果樹園で作業を行った。
同研究会は1950年に「園芸同志会」として発足し、請負剪定を始めて71年になる。1970年に現在の名称に変更した。近年では、高齢化で冬の作業が難しい農家や、専門技術を持たない兼業農家、良品質の果実を生産したい農家から依頼を受ける。果樹生産にとって重要な剪定作業を請け負うことで、会員の技術や知識のレベルアップ、地域の果樹生産へも貢献している。
最終日の1月26日には、七久保地区のリンゴ園で会員4人が作業を行った。会員らは樹全体を見渡しながら枝を選び、手際良く剪定バサミやノコギリを使って剪定した。
依頼した園主は「自分で剪定をするとどの枝を切るか悩んでしまうが、会に依頼し一緒に剪定をすることで教えてもらうことが多く助かっている」と話す。
同会の会長、佐々木崇さん(50)は、「請負剪定で他の園地を見ることで、自分では行っていない栽培方法や、技術を経験し学びの場にもなる。地域の農地を守りつつ、会員の交流と技術向上の場としてこれからも続けていきたい」と話した。

MENU