地域に合わせて野菜品目を提案

JAグリーン長野
ピーマンを推進する営農技術員
ピーマンを推進する営農技術員

JAグリーン長野は1月19日・20日、野菜部会果菜専門部生産者に対し、「提案型栽培講習会」を開いた。2021年の栽培計画立案時期に合わせて、JA管内地区ごとに振興する品目や「省力化」に特化した品目を核に推進し、生産拡大につなげてもらう考えだ。
長野市信更町のうち更府地区を対象にした栽培講習会は19日、更府支所で開催。新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じ、部会員生産者5人が出席。営農技術員が、振興品目「ピーマン」を中心に栽培拡大を呼びかけた。更府地区では、養蚕からの転作で野菜や米の栽培が増え、JA共選や直売所への出荷、また、農家が集まって直売所運営もしていた。しかし、近年は、農業従事者の高齢化や後継者不足、また、野生鳥獣害による生産物への影響も増加し、ますます離農者増加が懸念されている。JAでは、これらを踏まえて、「労力軽減が可能」「収益が確保できる」「有害鳥獣害に遭いにくい」ことをポイントに、軽量で栽培に手がかからない「ピーマン」を3年前から推進。26軒が出荷に励み、17.5トンを出荷。競合産地も多いなか、重点取引先への出荷を中心にし、安定価格で販売ができている。
講習に合わせて、JAでは2020年度に実施した「ピーマン反収向上試験」の結果も説明。
慣行の「放任」仕立てのほか、(1)放任+かん水(265株)、(2)整枝+かん水(21株)、(3)整枝(4本仕立て)のみ(10株)の管理法を試験し、7月から10月までの収量を調査。かん水を定期にしなかった(3)のほ場では、収穫期前半は(1)(2)の半量以下、慣行に比べても少ない数量で経過した。(2)では、(1)や慣行に比べて実が大きくなったが、数量は整枝した分、やや伸び悩んだ。(1)は慣行に比べて平均して165%以上の収量と果実肥大を確保するなど、手をかけない「放任仕立て」においても、かん水により一定以上の収量・品質を確保できることを改めて確認。かん水対策を盛り込んだ指導でさらなる出荷量の拡大・品質向上につなげていくことも説明し、ピーマン栽培、加えて市場から要望が強い「サイヤインゲン」の積極的導入を呼びかけた。
提案型の講習会は、引き続き継続し、果樹主体の産地のなかで、野菜栽培の拡大もはかり、総合供給産地の維持拡大につなげる考えだ。

MENU