JAあづみりんご部会小倉支部は15日、安曇野市三郷の小倉支所で「りんご冬期講習会」を開いた。部会員やJA営農指導員ら約50人が参加した。会場を十分換気し、席の間隔を空けるなど十分に新型コロナウイルス感染防止対策を講じて行った。
JA営農指導員が講師を務め、2020年度栽培上の問題点や2021年度振興方針や振興対策、一部改正した種苗法などを説明した。
2021年度の振興対策では、改植による樹園地の若返りや高密植わい化栽培の導入などを挙げた。老齢樹(20年前後の樹)や不良系統及び低位生産性園の改植・補植による産地の若返りや面積、数量確保を進めることや、効率的な果実生産を行うために、高い省力効果と生産性が期待できる高密植わい化栽培の導入を目指していくと説明。
また、一部改正された種苗法の背景には、近年、優良品種が海外に流出し、他国で増産され第三国に輸出されるなど、農林水産業の発展に支障が生じていることが挙げられる。登録品種の海外流出防止を目的に種苗法改正案が参議院本会議で成立し、令和3年4月1日から段階的に施行されることをうけ種苗法の変更点や栽培上混同しやすい「増殖」と「自家増殖」の違いを丁寧に説明した。
参加者は「近年の異常気象や種苗法の改正など、年々栽培が難しくなってきたと感じる。講習会で学んだことや栽培上の疑問・注意点などを営農指導員に聞きながら栽培を進めていきたい」と意気込んだ。
三郷地域営農センターの宮腰営農指導員は「この講習会が生産者の生産や経営の参考になれば嬉しい」と話した。