省力栽培技術振興し「モモ」維持を

JAグリーン長野
剪定法を実演
剪定法を実演

JAグリーン長野もも部会は1月19日・20日、モモ栽培の労力軽減につながる「疎植低樹高栽培」法として、「篠ノ井流大草」と「大藤流」の仕立て方・せん定講習会を2会場で開いた。生産者の高齢化や樹園地の維持対策として、部会・JAでは省力技術の導入で生産維持につなげようと、積極的に推進している。
このうち、篠ノ井大草流の講習を19日に長野市篠ノ井のほ場で開催。生産者25人が参加し、営農技術員が定植後4年生の樹を見本にせん定を実演するとともに、苗木定植後の管理・せん定について、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として短時間で開いた。
篠ノ井流大草は、山梨県の大草流をモデルにした仕立てで、主枝・亜主枝を放射状に誘引し、樹形を逆さ円錐形にし、主枝・亜主枝の先端が垂れないように帆柱を使用して針金で釣り上げる等し、作業効率を上げる。枝の重なりも解消され、日当たりもよく、薬剤防除等も効果的に行えるために、品質も上がる。栽植時に樹間を9~10メートル空けるか、もしくは千鳥植えなどで一定間隔を保ち、園内に軽トラックやスピードスプレーヤーを入れやすく、農薬散布・収穫の作業手間も軽減される。篠ノ井地区生産者を中心に、JA管内のモモ生産者のうち、定年帰農者や広い面積を持つ若手生産者など、経営・労力確保の状況に合わせて取り組みが進む。
実演では、樹勢を維持するための枝の整理法、枝の更新、また、側枝が重ならないよう枝の配置など、着果位置・日当たりなども考慮した作業についてポイントを押さえて説明。合わせて生産者の個別の質問に答えた。生産者の一人は、「これから植える樹をこの栽培方法で作ろうと思って参加した。広い面積をやろうと思った時に、効率的な作業で品質の良いものを作れることが良い」と話していた。
篠ノ井地区では、2019年に発生した台風19号により、千曲川河川敷のモモ園が被災、樹の流出等、甚大な被害が発生したが、樹園地整備がすすみ、昨春から疎植低樹高の技術を意識した栽植が増えている。JAでは、引き続き部会生産者と協力し、同栽培法の導入に努め、特産品「モモ」栽培の維持拡大をはかる考えだ。

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