JAグリーン長野花き部会は、2020年度の生産販売額が、新型コロナウイルスで花き全般の販売環境が厳しい状況に置かれるなかで、約8,000万円(前年比96%)と健闘している。冠婚葬祭等の業務需要の高い「トルコギキョウ」や量販店向け「コギク」を中心に品目がさまざまある同部会において、業務需要の減少もとい、嗜好性の高い「花き」の減少は大きな痛手だが、競合産地と出荷時期をずらし、出荷に大きな山を作らないように計画的に出荷。生産者の意欲保持へ、コロナ対策を行いながらの必要な講習会の実施、営農技術員による市況や栽培技術等の情報の積極的発信に取り組んできた。
12月10日には、長野市篠ノ井のグリーンパレスで「フラワーセミナー」を開催。出席者を各専門部長等と最小限に絞り、20年度の生産経過の振り返りと栽培課題や振興策の共有、次年度の花き栽培方針の検討を短時間で行った。販売環境の低迷に加え、極端な天候によって本数123万本(前年比89%)と品質にも影響があり、また、花き専業農家の高齢化・減少も要因になっている。ただ、施設栽培に意欲的な新規・定年農業者も多く、コギクやセダム、ユーカリ等、軽量で取り組みやすい品目も複合栽培で生産者・生産量を伸ばしていることから、引き続き、推進するとともに、新規栽培者の発掘と、空きハウス・農地等も案内しながら、トルコギキョウやユーフォルア・フルゲンスなどへステップアップをサポートし、生産振興をはかりたい考えだ。
渡邉修雄花き部会長は「コロナで何でも中止となり、長雨や酷暑と栽培も厳しいなかで、それなりの成果が上げられた」と振り返り、今後のさらなる生産振興と部会員の健康を祈念した。安藤猛常務は「JA全体でもさまざまな品目で苦労したが、花きはこのコロナ禍でも96%と大きな成果をあげていただいた。引き続きJAの利用と生産振興をお願いしたい」と呼びかけた。
あわせて、研修では、長野県農業農村支援センター花き担当から「JAグリーン長野管内の今後に向けた花き振興と他産地の事例に見る生産振興対策について」をテーマに研修を行い、産地の栽培環境に品目や栽培技術について講義を受け、意欲と技術の向上につなげた。