JA上伊那は12月9日、伊那市狐島のJA本所で駒ヶ根市特産のごま栽培講習会を開いた。ごまの生産量の減少を受け、今年から栽培地域を上伊那全体に拡大。今回初めて伊那市での講習会を開いた。講習会には栽培を決めた方や検討中の方など6人が参加。上伊那農業農村支援センターの職員から年間の栽培方法や土づくりのポイントなどを説明した。
駒ヶ根市は2007年にJAや同センター、地元の菓子店などが一体となり「信州駒ヶ根ごまプロジェクト」を立ち上げ、ごまの特産品化を目指している。
国内で流通するごま(約16万t)のうち国産はわずか0.1%。健康志向の高まりとともに国産ごまの需要が増大するなか、駒ヶ根産のごまは色つやがよく、香りが高いことから上伊那管内のみならず首都圏でも高い評価をうけ、需要も高い。しかし生産者の減少や天候不良などの影響で、2016年をピークに生産量の減少が続き、需要に応えられない現状がある。そこで同プロジェクトは生産者を確保するため、駒ヶ根市内だけでなく上伊那全体に栽培を呼びかけている。
講習会ではごま栽培のメリットとして、(1)駒ヶ根市の加工会社が全量買い取りで安心した生産が可能、(2)鳥獣害被害がほとんどなく、中山間地での栽培が可能、(3)播種と収穫作業は機械で対応可能で、栽培中の定期的な管理は必要ないことの3つが挙げられた。
プロジェクトリーダーでJA営農経済部南部営農センターの伊藤喜代司センター長は「駒ヶ根市のごまは県内外で高い評価を得ている。これからは上伊那全域でごま栽培に取り組み、需要に応えていきたい」と決意した。
駒ヶ根市のごまは現在、「信州駒黒(しんしゅうこまくろ)」の名で商標登録を受けており、今後品種登録される予定。講習会も定期的に開き、さらなる拡大に力を入れていく。