せん孔細菌病対策意識しせん定を

JAグリーン長野
せん定の実演をしながら説明する佐藤営農技術員
せん定の実演をしながら説明する佐藤営農技術員

JAグリーン長野は、もも部会を対象にしたせん定講習会を12月10日から22日にかけて、「モモ」の整枝せん定講習会を地区ごと8会場で開いている。次年度のモモ栽培の品質・作業性の向上をめざす。今年は、昨年の台風19号で千曲川河川敷のモモ園が壊滅的被害となり、生産量減。復興へ向けて苗木の定植が進むなかで、全国モモ産地で発生が問題となっている「モモ穿孔細菌病」が、管内でも広く発生。春型枝病斑の切除等、耕種的防除に取り組んだものの、収量減に追い打ちをかけられた。JA・生産者一体となって、2021年の発生を抑止し、高品質安定生産と生産意欲の維持にをめざし、収穫後から、薬剤散布、秋季せん定、対策講習会に注力。JAでは、冬期せん定も重要な対策の一つとして、基本的な整枝せん定技術に加え、モモせん孔細菌病春型枝病斑の切除も鑑みたせん定を指導している。
長野市川中島町今里で10日に開いた講習会には生産者30人が出席。佐藤衛営農技術員が、モモ「あかつき」の樹で実際にせん定を実演しながら説明した。技術員は、基本に沿って切るとややスッキリしすぎることを切って見せた後、樹勢の強弱、薬液のかかりやすさ、日当たり(日焼け防止)を念頭に置いたせん定を実演。樹や園の実情に沿い、骨格を作る主枝を決め、樹全体のバランス、花芽の位置、枝の勢い、枝の間隔のポイントを押さえ切っていった。合わせて、穿孔細菌病で枝切除をすることを前提に枝を残す場合に、摘果等の作業配分まで意識する必要性も説いた。生産者の一人は「実際に自分で切り始めると、迷いが生まれたり、もったいなくて思い切りよく切れないが、基本を押さえてやっていきたい」と話した。
当JA管内のモモの冬季せん定作業は、凍害防止として極寒期の作業は避けて、1月中旬以降から始め、2月頃までに進めていく。JAでは、営農技術員による個別指導・相談等も対応し、モモの高品質安定生産に取り組んでいく考え。合わせて、引き続き、モモの生産拡大と品質向上に対応した疎植低樹高栽培法の講習会も1月に開き、一産地として生産量の拡大をはかる。

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