冷蔵シャインマスカット取り組み強化へ

JAグリーン長野
導入した冷蔵庫前で荷造り作業を進める西原さん
導入した冷蔵庫前で荷造り作業を進める西原さん

JAグリーン長野で「冷蔵シャインマスカット」の出荷販売が12月10日、終盤に入った。これは、農産物の長期・付加価値販売による単価向上をめざした取り組み。季節品(露地出荷)に比べ、歳暮需要や百貨店等での需要が高く、1箱あたり1.2~1.5倍の単価向上を見込む。JAでは2015年から取り組みを開始し、農業開発事業「農業開発積立金」で専用冷蔵庫の新規導入に助成をしながら、導入拡大をめざしている。今年度は新規2戸が参入し13戸が出荷。予め、生産者ごとに出荷日を割り振り、計画出荷し、価格の安定化と市場需要に即した販売につなげる。今年は、それぞれの生産者が入庫時にしっかりと品質に配慮して入庫したことから、品質が安定している。11月23日に出荷を開始し、12月18日までとし、10日には、250ケース(1ケース5kg)を出荷。全体で1,800ケースの出荷をめざしている。
今年、冷蔵シャインマスカットの出荷に初めて取り組む長野市篠ノ井の西原進さん(43)は12月2日から出荷を始めた。西原さんは、モモ60アールとブドウ33アールを経営。うち、露地もののシャインマスカットは、毎年9月頃から収穫を開始し、11月頃まで出荷する。労力不足から、収穫期間が後ろにずれ、樹への負担が気にかかっていた。このなか、収穫ピーク時の手間の削減と、品質維持した出荷につながると、JA生産販売部販売担当らからすすめられて冷蔵庫導入を検討。今年7月にJA農業開発積立金を活用して専用の冷蔵庫を導入した。冷蔵庫入庫品は、園の10アール分(約3,000房分)を、9月末から10月上旬にかけて収穫。天候不順等により品質に悩まされた年だったが、新鮮さを保つための資材を活用し、より品質の良いものを選抜して入庫した。これにより、露地出荷は昨年より20日以上早く終え、「手間の削減にもなり、品質も思いほか良かった」と手応えを掴んでいる。入庫品の荷造りが12月中のモモの管理作業など重なることから、仕事の調整なども試験しながら、今年は13日まで出荷するという。「より品質の良いブドウを作って、新鮮さを感じていただけるように出荷していきたい」と次年度以降の冷蔵シャインマスカット販売への取り組みに意欲を見せている。
JAでは、冷蔵を含むシャインマスカットの出荷量が前年比15%増と、生産者・生産量の増加がますます進んでいることも含め、高品質・安定的な出荷へ指導サポートを進めるとともに、高付加価値販売として、積極的な冷蔵庫の導入と冷蔵シャインマスカットの取り組みを積極的に展開したい考えだ。

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