JA上伊那は12月19日、管内の小学生を対象にした食農教育授業「第15期あぐりスクール」の最終回を同JA本所で開いた。初の試みとしてweb会議ツール「Zoom」を使用したリモートでのしめ飾りづくりを行った。
同スクールは「『いただきます』の向こう側へ」をキャッチフレーズに掲げ、「食」の背景にある農業を知った上で、「いただきます」が言える子に育って欲しいとの願いを込めている。例年は4月~12月までの毎月1回、サツマイモの植え付けやリンゴの収穫、稲刈りなど行っている。今年は新型コロナウイルスの影響を受け、内容を一部変更し、現地で開催できたのは3回のみ。休校となった授業は動画共有サービス「YouTube」のJA上伊那公式チャンネルにて代わりに職員が体験した動画を配信。自宅でも授業ができるようにした。
最終回となるこの日は午前中に伊那市東春近の榛原公民館で、ドライブスルー形式でしめ飾りに使うわらや本来閉校式で渡すはずだった参加証を担任の職員が渡し、午後には「Zoom」を使用したリモート授業でしめ飾りの作り方を配信した。リモート授業には6人の親子が参加。同スクールの協力農家の伊東千元さんを講師に音声とチャット機能を使い、コミュニケーションを取りながらしめ飾りを完成させた。
あぐりスクールを担当する英恭平さんは年間を振り返り「できる限りの食農体験を開催したが、変更せざるを得なかった貴重な体験も多くあり、残念に思われる参加者もいた。来年は今回の経験をいかして、新しい生活様式に合った上伊那の食と農を体験でき、思い出に残る授業を考えていきたい」と決意した。
今回リモート授業に参加できなかった児童もしめ飾りを作ってもらえるよう、同チャンネルにて作り方の動画を配信している。