JA佐久浅間と樫山工業が共同運営する、佐久市の「道の駅ヘルシーテラス佐久南」は、12月1日から独自のECサイトを立ち上げて運用を始めた。コロナ禍において、直売所や店舗を閉鎖する不測の事態に備え、複数の販売チャンネルを運用することで販路を確保することが狙い。また、ソーシャルディスタンスの確保が求められる中、職員と利用者との接触を避けつつ商品を販売する場として、敷地内にドライビスルー専用レーンを設置した。利用者はサイト上のドライブスルー専用コーナーから商品を発注し、翌日の午後1時から午後4時30分の間に引き取る。職員が事前に商品を梱包することで、密集しがちなレジに並ぶ必要もなく、袋詰めなどの負担もなくなるなど、利用する側のメリットも大きい。
ECサイトは、佐久市の「農産物等販路拡大・地域流通対策事業」を活用して開設。新型コロナウイルス感染症流行の第一波の際、同駅は行政の要請に基づき休業し、直売所出荷組合員が生産する農産物を受け入れることができずにいた。一方、外出自粛の影響で生活様式が変化し、家庭での自炊が増えるなど、地元利用者を中心に農産物の需要があったにもかかわらず、販売できない状況に陥った。市は、同駅が地域農業の生産維持や市民らへの食糧の安定供給を担う施設であることを踏まえ、JAに不測の事態に対応できる新たな販売体制の運用を要請。JAは営農経済部直売課を中心に10月からECサイト構築作業に着手し、12月1日に試験運用を開始。同駅職員と商品の受注から荷造り、引き渡しなどテストを重ねて11日から本格的な運用を始めた。当面は、すでに出品しているインターネットショッピングモール「楽天市場」と同様の商品ラインナップで運用し、旬の農産物を中心にJA加工品など充実を図る。
青木栄治駅長は「コロナ禍においても事業を継続し、直売所の機能を維持することがJAの使命。地域の新たな買い物スタイルとして定着を目指して積極的にPRしたい」と」話している。