JAみなみ信州は全職員が特産の「市田柿」の生産過程の作業を体験する農業研修を行っている。昨年から始めたこの研修は、JAを代表する品目への理解を深め、組合員との対話活動に生かし、販売額の増大を実現する狙い。
「市田柿」は、2016年に県内で初めて地理的表示(GI)保護制度に登録され、JA柿部会の第48回日本農業賞集団組織の部での大賞受賞や、同JAが第58回農林水産祭の多角化経営部門で内閣総理大臣賞を受賞するなど、JAの基幹的な品目。
JAは17年に作成した「10年ビジョン」で、地域全体の「市田柿」生産販売額100億円を目指すことを挙げている。昨年から取り組む3ヵ年計画では「組合員とのつながりの強化」を重点事項に盛り込み、その具体策としてJA職員の対話活動を促す。
研修は、別に新人農業研修を行う入組2年目までの職員を除く477人が対象。7、8月の摘果、10月下旬から11月中旬までの収穫、11月中旬から12月の加工作業を予定する。
今年度の収穫作業は10月28日から開始した。11月9日は金融や総務、営農などの職員5人が、JAのグループ会社「市田柿本舗ぷらう」が管理する園地で、同社職員に指導を受けながら1日収穫作業を行った。
参加したJA金融部の橋爪桂子さんは「市田柿の収穫は初めての体験でしたが、選別しながら一日行う作業は思った以上に大変で農家さんの苦労が垣間見えました。組合員の方との対話をこれまで以上に大切にしていきたい」と話した。