JA上伊那とJA全農長野は、東洋ライス株式会社との3者による「かみいな米」販売複数年契約を締結した。
複数年契約は、同JAと全農長野が2018年産からの米政策転換への対策として掲げる取り組みの一つ。米卸との複数年契約や収穫前契約により長期的に安定した販売を目指す。今回の契約では、同社への年間出荷数量のうち500トンを2020年産から22年産の3年間の複数年契約として連携を図る。
11月4日には、伊那市のJA上伊那本所で3者による懇談会が開かれ、米の販売状況や2020年産米の作況について意見を交わした。
同社は栄養成分と旨み成分が多い「亜糊粉層(あこふんそう)」と胚芽の基底部である「金芽」を残す精米方法によって栄養と美味しさの両立を実現した「金芽米」を主力商品として販売している。その原料として全農長野を通じて同社に販売する長野米は、年々増加し2019年産米は6000トンを供給。そのうち1200トンが上伊那産だ。
同社の阪本哲生副社長は「今年は8月の高温の影響で金芽米発売以来15年の中で一番品質が心配な状況。金芽米の基準に満たない米もみられる中、上伊那の米は安定した品質を維持していただいている。ここ数年上伊那のお米がなくてはならない状況になっている」と信頼を寄せる。
同JAの御子柴茂樹組合長は「上伊那では早くからカントリーエレベーターでもみ貯蔵し、注文を受けてからもみすりをする『今ずり米』という方法を取り入れてきた。年間通して品質を一定に保つおいしいお米は自信をもっておすすめする」と期待に答えた。