JAみなみ信州地域の特産「市田柿」の収穫、加工作業が早いところでは10月25日に始まり、同JA柿部会員1,932人(令和2年4月現在)は現在一年で最も忙しい時期を過ごしている。
原料柿の収獲から皮むき、吊るし作業の最盛期は11月15日ころまで続く。
干し上がり製品となった市田柿の出荷は早いものでは11月24日から出荷が始まる予定で、12月下旬に出荷ノピークを迎える。
同JA営農部によると、今年の柿は春先凍霜害により一部の園地で被害を受けたが、全般に着果は良好。7月の長雨、8月の干ばつにより生理落果が多発し、また変形果が多くなったことから原料柿の果実量は平年に比べ95%程度と見込んでいる。
今年の原料柿は果実肥大こそ平年並みだが、ここへきての天候の良さと一日の寒暖差が大きいことから糖度も高めに推移しているという。
同JAでは、今年度市田柿の取扱数量1,100トン(前年対比95%)、販売額約26億円(同100%)を見込む。
5日、同JA柿部会座光寺支部支部長の熊谷博人さん(66)宅では、家族のほかアルバイトを雇用し収獲4人、皮むき、吊るし6人体制で作業を行った。
熊谷さんは83アールの柿圃場を管理し今年はおよそ800コンテナ(1コンテナ20kg)の原料柿の収穫を見込んでいる。
25日から収穫を始めた熊谷さんは「今年は適度な大きさで糖度もしっかりあるので、ぽってりしたおいしい市田柿ができると思います。待ってくれているお客様のためにも、仕上がりまで管理をしっかり頑張ります」と話した。
同JAでは、地理的表示(GI)保護制度を活用し、台湾や香港を中心に市田柿の輸出事業にも積極的に取り組み、今年度は100t(前年実績48t)を目指していく。