農福連携で生きがいを感じる日々を

JA佐久浅間
利用者と作業する林さん(中央)
利用者と作業する林さん(中央)

小諸市大久保の林幸志さん(56)は、約1.5ヘクタールの圃場でリンゴの栽培に取り組む傍ら、佐久市の障害福祉サービス施設と連携し、施設利用者の支援に取り組みながら、地域に農福連携を広げようと日々奮闘している。
東京都出身の林さんは、子供の頃から農業に興味があり、小学校の自由研究では毎年トマトやピーマン、スイカなど農作物をつくっていた。「どんなに頑張っても八百屋みたいに綺麗に育たなく、どうしたら上手く育てられるか考えるのが楽しかった」と話す。
30代の頃から、様々な場所へ収穫体験に出向き農業に触れてきた。45歳の時に「一度きりの人生、自分のやりたい事をやろう」と決心し、農業フェアや就農相談会などに参加し、妻と子供を残して就農するため、なるべく東京から近く、アクセスの良い場所ということで佐久地域を紹介される。2012年に、それまで勤務していた会社を辞め、小諸市の農業大学校研修部や佐久市のチクマ農園での里親研修でリンゴ栽培の技術を磨き、JA営農指導員やJA農家経営支援対策チームの支援を受け、14年から独立してリンゴの栽培を始めた。
「ふじ」や「シナノスイート」など7品種を栽培し、年間約6トンを出荷している。「反対していた妻がリンゴを食べてすごく美味しいと言ってくれる事が嬉しいし、励みになる」と笑顔で話した。
また、自身も嘱託として働く佐久市の就労継続支援B型事業所「ワークハウス牧」と連携し、障害があっても地域の中で当たり前の暮らしを続け、地域の縁の下の力持ちとして、障害者が輝ける地域づくりと工賃アップを目指し、昨年より農福連携に取り組んでいる。「課題はあるが農業の人手不足や後継者不足などの問題を解決する一つの方法として取り組んでいる。モデルケースとして地域に発信していき、施設のみんなと生きがいを感じながら、このリンゴ農園を大きくしていきたい」と夢を語った。

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