JAグリーン長野きのこ専門委員会は10月23日、長野市篠ノ井の営農センターで「きのこ販売促進会議」を開いた。生産者11人とJA役職員、JA全農長野、地元市場出席のもと、現状までの販売情勢、需要期に向けた販売戦略を共有、市場への要望などをつなぎ、生産者手取りの向上による生産意欲の増大、産地維持をめざしている。
生産販売部担当は、新型コロナウイルスによる家庭内消費の需要などから、9月末時点の販売実績が3億5千万円余(前年対比105%)で推移していることを報告。単価も前年対比で1.4~3.8円ほど高い販売となった。需要期に差し掛かり、「品質」「数量」の安定化と、市場・取引先への的確な情報発信と小回りの効く対応で、価格の安定化をはかることを説明、生産者に対し協力を求めた。市場担当者は、JAの生産物に高評価が伝えられ、販売環境は良さから、引き続き、「市場に荷物が到着した際の品質」まで意識した対応による品質の維持と生産量維持拡大を求めた。
また、全生産者は、一言ずつJAや市場、全農長野に対し要望。生産者は「資材等各生産コストが値上がりするなかで、販売価格が上がらず原価割れするようなことは絶対にあってはならない」と切実に、強く求めた。これに対し、JAや全農長野は、相場を上げるためにも計画的出荷を重点に、JAのきのこ売り場のキープと週末需要に向けた流通量のコントロール、コロナ禍での新たな消費宣伝等に乗り出す等で、単価向上をはかっていくことを約束した。山崎圭次専門委員長は「知恵を出し合って汗を流せば必ず価格につながる。生産者も減少しているが、意欲を持った生産に取り組んでいきたい」と話した。JA安藤猛常務も、「きのこ生産の維持に向け、生産者のみなさんに続けていきたいと思っていただけるように支援する」と話した。
販売促進会議を前に、全生産者の出荷物に対して生産者・JA・JA全農長野・市場が品質を評価する「査定会」を開催。包装、色沢、傘形・揃い、茎の太さ・形状揃いなどを40点満点で評価した。生産者の一人は、「どの生産者の出荷基準を満たしているが、他の方のものを見ると、自身の出荷物の改善点も見つかるので、いい機会」と話していた。査定会の結果では、全生産者が出荷基準を満たしていることが確認された。JAでは、結果を元に、さらなる品質向上へ改善点等を伝える考えだ。