JAグリーン長野で、特産品「長芋」の出荷が10月23日から始まった。昨年は台風19号による千曲川河川敷の芋畑に大きな被害が発生し、被災を機とした生産者・生産量の減少を懸念したが、JA独自の農業開発積立金により、「種芋」や流された支柱の更新費用などを助成し、営農継続を支援。今年は550トンの出荷を目指している。
本格出荷に合わせて10月26日、長野市松代地区2会場で目揃会を開催。生産者50人が各会場に分かれて出席した。会場では、JA営農技術員や生産販売担当者が、競合産地の販売情勢をはじめ、重点販売期間、出荷規格や注意点などを説明。今年は新型コロナウイルスの影響により重点販売先の一つイベント需要が激減しているが、家庭内消費の増加等により贈答用の注文、市場からの出荷要請は例年並みにある。加えて、松代農業総合選センター直売所では11月14日から12月20日までを特別販売期間に設定し、この期間に重点的に収穫・販売をすすめ、生産者手取りの確保・向上を図る考え。台風19号の影響と思しき病害の発生・広がりが懸念されるものの、芋は生育が順調で、「長く」「太く」仕上がっていることから、生産者は5等級の選別に注意し、センターにおいては24等階級に応じた厳格な選別基準を徹底し、品質を維持した出荷に取り組む考えを申し合わせた。
真島敏範野菜部会根菜専門部長は「長く仕上がっていて、堀り取りに苦労しそうだが、折れないように注意しながら作業を進めたい」と意気込んだ。
同JAの長芋は、千曲川によって形成された肥沃な土壌と砂地によって、長く太い芋が育つとして、松代町を中心に、昭和の時代より栽培が続く。収穫期は10月下旬から翌年4月までで、12月中旬までを「秋掘り」、雪解け後の2月下旬から4月中旬までを「春堀り」として、長期間に渡って出荷をしている。