伝統野菜「坂井芋」、収穫始まる

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木島地区の畑で坂井芋を収穫する渡辺さん

飯山市木島地区で、伝統野菜「坂井芋」の収穫が始まった。サトイモの在来種で、同地区の生産者でつくるJAながの木島里芋研究会が栽培に取り組んでいる。収穫は、9月末から始まり11月中旬まで続く。収穫した芋は出荷後の品質を保つために、十分に芋を乾燥させてから出荷し、10月から年明けまで続く。最盛期は11月中旬から12月上旬。関東地方や地元市場へ出荷するほか、JA農産物直売所でも販売する。
「坂井芋」は、同地区一帯の多湿で砂交じりの土質で栽培され、粘り気が多くもっちりした食感が特徴。年々需要が高まり、出荷量も伸びている。今年は2.5ヘクタール作付け、18トンの出荷を見込む。
研究会は、長野県の「信州の伝統野菜」の伝承地栽培認定を受けて「坂井芋」の伝統を守りながら、生産、消費の拡大をめざしている。現在は、14戸と2団体が栽培。有利販売につなげるため品質管理を徹底。種芋から品質や形状が良好なものを厳選して栽培することで、品質と規格の統一を図っている。取引先の市場からは、「味はもちろんのこと、土、毛羽(根)も綺麗に落とされていて見た目も良い」と、評価が高い。
同地区で1000株ほど坂井芋を栽培している渡辺せつ江さん(82)は、例年より一週間程早い9月29日から収穫を始めた。「夏場にしっかり潅水を行い、生育は良好。大粒な芋が収穫できると思う」と話す。

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