「シナノスイート」初出荷 品質良好で高値期待

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果実の裂傷を確認し選果作業を行う選果員ら

安曇野産リンゴの出荷が本格化している。JAあづみは1日、安曇野市三郷の果実中央選果所で中生種の主力品種「シナノスイート」の出荷を始めた。
営農経済事業部果実課によると今年は8月の高温で日焼けなど果皮への影響が心配されたものの9月の天候に恵まれ着色が進み、食味も良く品質が高いという。
「シナノスイート」は、県果樹試験場が早生種「つがる」と晩生種「ふじ」を掛け合わせた育成品種で1993年に開発された。糖度が高く酸味が少ないのが特徴で「シナノゴールド」「秋映」とともに県の「りんご3兄弟」呼ばれている。果汁が多く、甘味もあるため消費者に人気の高い品種だ。
この日までに集荷した約16トンを20人の選果員が果実の裂傷や日焼けなどを確認し、選果機のセンサーで熟度や大きさを判定し4等級に分けて箱詰めした。
選果された約1000箱(1箱10キロ)は主に首都圏、中京、関西、中国方面、県内市場に出荷され早ければ10月3日に店頭に並ぶ。
今年の出荷計画は13万箱(1箱10キロ)。「シナノゴールド」や「名月」など中生種合計で22万箱(1箱10キロ)の出荷を予定している。出荷ピークは10月中旬で10月末頃まで続く。11月初旬からは安曇野産リンゴを代表する晩生種の「サンふじ」の出荷も始まる。
果樹園芸専門委員長の百瀬敏昭さん(65)は「全体的に出来がいいと思う。果実全般の価格がいいので期待している」と話した。
営農経済事業部果実課の中村洋一課長は「シナノスイートは果皮が薄く、強風などにより思うような品質にならないことが多い。今年は品質がいい。多くの消費者に味わってもらいたい」と話した。

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