異常気象による影響懸念もほぼ1等評価 2020年産米初検査

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慎重に米の検査を行う農産物検査員ら

JA大北管内では9月初旬から酒米を中心に特産物の米の収穫作業が本格化してきている。9月11日には大町市常盤の同JA南部低温倉庫で、2020年産米の初検査が行われ、長く続いた梅雨による長雨、その後の記録的な猛暑等による、病害や高温障害による品質への影響も懸念されたが、初検査までに出荷された酒造好適米やもち米、うるち米のほとんどが1等と評価された。
初検査にあたり、同JAの武井宏文組合長は「大北産米の魅力を発信していくためにも、よりいいものを出荷し、販売に結びつけていきたい。検査員の皆さんには厳正な検査をお願いしたい」と激励した。
この日は4人の農産物検査員が大北南部地域の農家から出荷された美山錦などの酒造好適米やもち米、食用米のあきたこまちなど約500袋(1袋/30kg)を検査。水分や整粒歩合、胴割れ、着色、被害粒の有無などを慎重に調べた。初検査後、吉沢篤検査員は「田植え後の苗の活着は順調に推移した。その後、6月から8月まで続いた長い梅雨もあり、いもち病の心配、8月以降の猛暑で高温障害等の心配もあったが、大きな被害もなく、収穫まで順調に推移したのもあり、ほぼ1等と評価した。今後の天候次第でもあるが、引き続き適期での刈取りをお願いしたい」と講評した。
同JAでは、コロナ禍で米全体の需要が低迷している状況も受け、、農家所得向上を図るために、JA全農長野決定概算金に同JA独自の概算金を上乗せした金額で概算金を決定した。その上で、今年も酒造好適米、もち米、うるち米など20万俵(1俵/60kg)を集荷目標に受け入れを行う。JA管内では現在、コシヒカリを中心に収穫作業が行われており、10月にかけて受け入れのピークを迎えるとしている。

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