長雨影響受けるも、最高かんぴょう提供へ

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慣れた手つきでユウガオを手びく会員ら

池田町の特産品「内鎌かんぴょう」の生産が8月3日から始まっている。かんぴょうは同町会染内鎌地区の農家有志で作る「内鎌のかんぴょうを守る会」が手作りしており、暑さやコロナに負けじと、同地区内にある作業場に集まり、加工作業に精を出している。
同地区で生産している内鎌かんぴょうは160年の歴史がある。地域伝統の産物としてかつては各地で作っていたが、後継者不足や加工作業に熟練の技が必要なことから生産者が減少。同会は伝統の産物を守り、作り続けようと、地元農家有志が集まり2011年に発足し、現在会員数は約20人。原材料生産から加工、販売まで全て行っている。また、原料となる「内鎌ゆうがお」は県の「信州の伝統野菜」の認定も受けている。
今年は例年に比べ梅雨明けも遅く、長雨続きの天候だったのもあり、ユウガオの収穫量は平年と比べても半分以下程となり、かんぴょうの生産量にも影響が出ている。
作業は早朝にユウガオを収穫し、天日で干した後、輪切りにし、外皮をむいた後、蛸引き包丁を使い、専用の台を使って手引きする。その後ハウス内で丸1日干したら完成する。特にユウガオの手びき作業は難しく、厚さが大体1.5ミリくらいになるよう手びく。同会が作るかんぴょうの特徴として、横幅が広く、しっかりと風味を味わうことができるのでとても人気がある。
同会の太田洋介会長は「梅雨天候が長引き、生産量には大きく影響が出たが、8月に入り、気温も高温の日が続くようになり、かんぴょう自体は真っ白な良いかんぴょうができている。みんなで丹精込めて作った手作りのかんぴょうを今年も味わってほしい」と話す。
生産作業は概ね8月下旬まで行われる。かんぴょうは同町の道の駅「池田町ハーブセンター」やファミリーマートJA大北会染店、大町市の同JA農産物直売所「ええっこの里」などで販売するほか、作業所での直売もしている。

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