ユーカリの産地化が着々と進む

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ユーカリの生育を確認する生産者ら(7月31日、小諸市東雲の圃場で)

JA佐久浅間が取り組んでいるユーカリの産地化が進んでいる。JAは年間を通して需要があり、低コストで作業負担が少なく導入しやすい品目として生産を振興している。2015年に5戸の農家が試験栽培を始め、20年度は新規栽培者が25人加わり、全体では約130人が栽培。10月から出荷が本格化し、12月上旬まで約50万本出荷する見込みだ。
ユーカリは、オーストラリアなどに広く分布するフトモモ科ユーカリ属の総称で、日当たりが良く、排水が良い場所を好む。近年は、ブライダルやクリスマスリース、生け花などの花材として需要が高く、幅広い用途で使われる。5月から6月に定植し、10月から12月上旬にかけて収穫する。永年性で、一度定植すれば木が枯れるまで栽培を続けることができ、収穫期間が長いため労力分配もできる。鳥獣害を受けにくいことから、中山間地域の耕作放棄地対策としても期待されている。
JAでは、7月30日から31日にかけて、管内7箇所でユーカリ栽培講習会を開き、新規栽培者ら約70人が参加。JA担当者が病害虫防除や倒伏防止の支柱立てなどを説明。「雑草があると病害虫の発生のもとになってしまうので、圃場だけでなく、圃場の周りの雑草も処理しておくこと」とアドバイスした。
今年から栽培を始めた小諸市森山の塩川勇さん(64)は「昨年退職して時間ができ、家の畑を荒らしておくのも良くないので何か栽培しようと考えていた。ユーカリは手間もかからず栽培しやすいと聞き、今年からチャレンジしてみようと思った」と話している。
JAは今後も圃場巡回などを通じて生産者を支援し、生産振興に取り組む方針だ。

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