水稲育苗ハウスを利活用 自動潅水システムでピーマン栽培

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潅水可動している様子

塩尻市の北小野耕作組合は、水稲育苗ハウスを利活用してピーマンの施設栽培を行っている。今年で2年目を迎える。
水稲育苗が終了する5月中下旬以降、ハウスの有効利用ができないかと同組合よりJAへ相談したことがきっかけとなった。ハウス内はプール育苗を行っている事から、耕起不要のポット栽培を選択し、昨年は135平方メートルのハウスにて試験的に50株から栽培を始めた。しかし、潅水にかかる労力と生理障害によるロス果の発生が多く、課題を残す結果となった。
本年は、全農長野も取り組みに加わり自動潅水システムを導入した。また、ポットの配置や誘引方法の改善などを図り、栽培本数も120本と倍増。6月5日に植え付けを行った。
自動潅水システムは、圃場での電源確保が難しい事から、有限会社プティオ社製の「蓄電池式自動潅水システムソーラーパルサーE」を設置。日照量による変則時間潅水が可能なシステムであり、日射のある間は蓄電池へ充電され、ポンプは設定した時間内だけ運転し給水する仕組み。潅水のタイミングは、30分間潅水-30分停止を1回のサイクルと設定。約300ml/回が潅水されている。1日10回前後作動する。日照に左右されるため晴天時は常時稼働している状態であるが、曇天が継続すると給水が開始されない場合も見受けられた。
また、本年はプラスチックポット以外に不織布製鉢の比較試験も実施。不織布は通気性もよく根への酸素供給量を高める効果が期待できるが、逆に乾燥しやすい面が心配される。
今後は、夏場のハウス内の温度調整や貯水タンクの温度、貯水タンクの水量もこまめに確認するなど課題がある。同組合の横澤幸雄さんは「今年は尻腐れが目立つので対策をしたい。田植え後の使用しない育苗ハウスはまだあるので拡げていきたい」と今後の栽培に意欲を見せた。

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