水田養殖用の親ブナを配る担当者(佐久市・水産試験場で)
JA佐久浅間さく南部営農センターは21日、佐久市の県水産試験場佐久支場で、水田養殖用の親ブナを配布した。同JA佐久平ふな部会の部会員や近隣市町の生産者58人に、親ブナ1023キロを配った。
親ブナは、満2歳魚で、体長約13センチ、体重約60グラム。生産者が休耕田や稲作田で飼育し、水温管理をしながら5月下旬から6月上旬に産卵する。生まれた稚魚を水田などで約3か月間飼育し、体長約5センチ、体重5グラム程度に育ったところで9月上旬から「小ブナ」として出荷する。同センターや地元スーパーマーケットなどで販売され、佐久地方では秋の味覚として家庭で甘露煮などにして食べる。
同地域で生産されるフナは「改良ブナ」と呼ばれ、1972年ごろから同支場で改良した系統で、体に丸みがあり骨が柔らかく食味が良いのが特徴。
近年、野生ブナ(ギンブナ)との交配の影響で、体形が乱れてきたことから、2011年から再度改良に取り組み、2015年から新たな改良ブナが配られている。
親ブナ120キロを購入した佐久市桜井の臼田和好さん(71)は「順調に成育すれば9月上旬に集荷が始まる。昨年と同じく約1トンの出荷を目標に、飼育管理を徹底していきたい」と話している。