伝統食「凍り餅」づくりはじまる 介護食や離乳食にも

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凍り餅用の餅を和紙に包むのと、吊るすためにひもで結び合わせる会員ら

大町市常盤須沼の農産物直売所「かたくり」で、冬の寒さを活かした伝統食品「凍り餅」づくりが1月9日から始まっている。今年は約4000連(1連10個)をつくる。
 全て手作業で作られる凍り餅は、同直売所凍り餅部会の会員が地元で契約栽培するモチ米「もちひかり」を使って作る。始めに男性会員が臼ときねでついた餅を女性会員らが一定の大きさに伸ばし、長方形に切り分け、和紙で包んで10個をひもで1連にする作業を日中行う。そこから連にしたモチを約3日間水に浸した後、軒下に吊るす。2ヶ月ほど軒下で寒風にさらし、乾燥させれば、サクサクとした食感の凍り餅が完成する。ポイントとして、夜の氷点下となる冷え込みで凍り、昼間の暖かさで溶ける。これの繰り返しによる乾燥が重要で、その年の天候に大きく左右される。
 食べ方は様々で、水に浸し戻して食べたり、フライパンや電子レンジで加熱し、戻して食べたりなど。また、凍り餅のグラタンなどアレンジとして様々な料理にも使える。長期保存もできるため、非常食としても良い。凍り餅の特徴としてモチ本来の自然な味で、水で戻した時には固まらず、液状になるため、離乳食や介護食としての需要もある。
 同部会の曽根原叶子会長は「夜間に零下まで下がり、昼間に溶けるのを繰り返すことによって、良い仕上がりとなる。特に今年は暖冬ということもあり、これからの安定した冷え込みを期待したい。喉に詰まりにくく、食べやすいため、幅広い年代の方たちに食べてもらいたい。今後も、伝統食として絶やさぬように、作り続けていければ」と意気込んでいる。
 凍り餅づくりは今月下旬まで続き、完成は今後の天候にもよるが4月を予定している。販売する凍り餅の種類は、白餅のほか、ヨモギ、しその3種類。1連10個で1000円(袋入りは1080円)。予約販売も行っており、予約価格は900円。予約は2月下旬頃までで、JA大北ときわ支所(TEL:0261-22-0209)で承っている。

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