被災水田復旧へ、ICT建機活用

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17日、長沼地区内の水田で土砂を撤去するICT油圧ショベル

JAながのと長野市、建設機械メーカーのコマツ製品を扱う前田製作所は1月17日、長野市長沼地区内の水田で、昨年10月の台風19号による浸水被害で堆積した土砂や刈り取りが出来ず残っている稲を撤去する復旧作業試験を行った。ICT(情報通信技術)を活用した油圧ショベルやブルドーザを使った土砂撤去を試みた。
マシンコントロールのICT油圧ショベルは、GPSを利用して田面の高さを把握しバケットの刃先座標を測位しながら稼働するため、地面の水平を保ちながら堆積土砂の排土作業ができる。今回の試験では、通常の油圧ショベルの3倍の効率で作業が完了。ICTブルドーザも稼働試験を行い比較した結果、効率的に撤去作業が進んだICT油圧ショベルの導入を決めた。1月下旬から6台稼働させ、被害を受けた市内の水田で順次復旧作業がすすめられる予定。
長沼・豊野地区では50ヘクタール余りの水田に被害があり、刈り取りができていない水田が約半数に及ぶ。
メーカー担当者によると、建設現場ではICT建機が使われているが、災害復旧作業での使用は全国的にも珍しく、水田では初めて。
JA営農部の小林芳則次長は「例年通りの稲作ができるように、行政機関などと連携しながら被災農地の早期復旧をめざしたい」と話した。

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