班ごと力を合わせて里芋を掘り出す1年生
南木曽町やJA木曽、木曽農業普及センターなどで構成する南木曽町農業技術者連絡協議会が休耕田への有効作物の実証として昨年より始めた里芋栽培の収穫を、10月31日に同町の南木曽小学校の児童たちが体験した。農家の高齢化や後継者不足で増加しているの休耕田を活用しようと取り組んでいるもので、同協議会は今後も普及や販路、集荷などについて検討を進めたいとしている。
収穫体験は同校の1年生31人。小学校近くの3アールの休耕田で町職員やJA南木曽支所職員らの指導で班ごとに力を合わせてイモを掘り出し、一株にびっしり付いた里芋の固まりの大きさを見せ合いっこした後、親芋、子芋、孫芋を手で一つずつ分ける作業をした。収穫作業を体験した児童は「たくさん採れて楽しかった」と話した。収穫体験は、1年生のほかに3、4年生が翌日に行った。収穫した芋は同校の給食で使うほか、道の駅で販売する。
同町産業観光課農林係主査の服部慎也さんによると、町内の休耕田は作付けを止めた農家が増えて年間1ヘクタールくらいと増加傾向にある。同協議会は獣害被害が少なく、水管理がしやすい品種として里芋の試験栽培をしてきた。今年も5月に450個の種いもを植え、昨年とほぼ同じ量の芋が収穫できる見込み。服部さんは「ふるさとの芋として特産品にし、休耕田に栽培を広め、販路や集荷の方法についても研究したい」と意欲をみせた。
JA木曽南木曽支所の小原高春農業生活課長は「休耕田解消に向けて、農家や地域の人に里芋栽培の普及を図り、作業の省力化への手助けをしたい」と話した。