ハウス内の土砂を撤去する職員(10月24日、佐久穂町余地で)
台風19号の影響で農作物や農業施設などが甚大な被害を受けたJA佐久浅間管内で、JA職員による農家の復旧支援活動が行われている。10月24日には、河川の水があふれ、大量の土砂やごみがビニールハウス内に流れ込んだり、施設が壊れるなどの被害が発生した佐久市と佐久穂町の被災農家の支援活動を行った。地元店舗や営農センター、本所職員ら約20人が、2班に分かれてごみの撤去作業に当たった。作業は天候や農家の要請に応じて25日も行う。
佐久穂町余地でトマトとストックを栽培する友野宗司さん(51)の鉄骨ハウスでは、近くを流れる余地川の堤防が崩れて水があふれ、約5アールのハウス内一帯にがれきや土砂が流れ込んだ。10月から出荷が始まったばかりのストックと12月まで出荷するはずだったトマトが被害にあった。友野さんは「道路や川岸が崩れて重機も入れられず、ほとんど手が付けられない中で、応援に来てもらい本当にありがたい」と話した。
佐久市中込でトルコギキョウを栽培する市川秀人さん(75)のビニールハウスでは、滑津川が氾濫して6棟が浸水。花は全滅し、3棟は修理ができないほど大きな被害を受けた。職員らは折れ曲がったパイプハウスなどの撤去作業を行った。作業に当たったさく南部営農センターの原田勝己センター長は「一日も早く平穏を取り戻し、今まで通りの経営ができるよう、JAとして全力で応援したい」と話した。
JAは台風19号農業対策本部を設置し、早期復旧に向けて引き続き情報収集と復旧作業に取り組み、今後の支援策の検討を進める。また、JA共済加入者への早期の共済金支払いに向けて調査を進めている。台風19号で災害救助法が適用された地域に住む契約者に対して、共済掛金の払込猶予期間を延長するなどの特別措置を行う。