瓦礫が流れ込んだカーネーションのハウス(10月15日、佐久穂町海瀬で)
台風19号による大雨の影響で、JA佐久浅間管内の農作物や農業施設にも甚大な被害が発生した。同JA管内は、記録的な降水量に見舞われた千曲川の上流が中央を流れる東信地域に位置する。被害は多くの支流が流れる佐久穂町から佐久市を中心に広範囲にわたり、いたる所で河川が氾濫。橋や道路が崩れたり、停電や断水が続くなど、生活面にも大きな影響が出ている。
佐久市では、千曲川支流の滑津川、佐久穂町では余地川や抜井川など各地の河川から水があふれ、流域にある田んぼや農業用ハウスに土砂やごみが流れ込むなどの被害が発生した。また、農作物を受け入れる集荷所や予冷庫、ライスセンターなどJA施設でも浸水被害や停電や断水などによる影響があった。
JAは災害発生直後から「台風19号農業対策本部」を立ち上げ、農家やJAが被害状況の把握と復旧作業に全力で取り組んでいる。営農担当職員を中心に情報収集と今後の支援に向けた検討を進めており、被災農家のニーズを調査・把握した上で、具体策を決める。また、生活基盤の再建のため、JA共済加入者への早期の共済金支払いに向けて調査を進めている。被害地域が広範囲にわたることから被害の全容解明にはまだ時間がかかる見通しだ。