生鮮品や見守り隊、山間地に笑顔提供

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更新した車両を確認するJA役職員と牛越市長

JA大北はこのほど、小谷村と大町市八坂地区で運行している「移動購買車」を更新し、小谷村と大町市で出発式を開いた。移動購買車は、軽トラックを改造したもので、肉、野菜、魚などの生鮮食品やエーコープマーク品、日用雑貨などを積んで山間地を回り販売する。利用者の多くは高齢者で、移動手段(村営バスや自家用車)が限られているということもあり重宝されている。
大町市の同JA本所会館で開いた出発式には、JA役職員と牛越徹市長が出席した。牛越市長は「さらに地域の多くの人から親しまれ、末永く続いていってほしい」と期待していた。
今回の車両更新は、雪道や山間地を中心に走るため、車両の老朽化によるもの。小谷村の2台体制で運行しているうちの1台と、大町市八坂地区で運行している1台を更新した。
更新費用は2台合わせて約640万円。費用の一部を小谷村と大町市からそれぞれ補助金を受けた。以前の車両よりも冷蔵部分を拡大し、生鮮食品の取扱数を増やした。手洗い設備も搭載する。ソーラー充電も可能で、バッテリーの負担も抑えられる仕様となっている。
山間地が多い管内で、時代とともに形を変えながら運行している移動購買車。修繕費や車の揺れで商品が傷んで売れ残るなど、維持管理費用がかさみ収支が合わないという課題もある。一方では、車の往来が少なく家屋が点在する地域での安否確認、その地域の人たちが顔を合わせて話し合える場の提供などの地域の「見守り活動」としての役割もある。
JAの山田高司組合長は「以前よりも新鮮なものが積めるようになった。地域で購買車を待っている人もいて、欠かせない事業の一つ。地域から笑顔を絶やさないため、これからも末永く運営できるように、運営面の課題についてもしっかり検討していきたい」と話している。

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